麹とは

What's Kouji

日本の食卓に欠かせぬ麹。

麹は、蒸したお米や大豆、麦に麹菌を繁殖させたもの。お米に繁殖させれば米麹、大豆なら豆麹、麦なら麦麹です。麹菌はカビの一種で、似たような菌はアジア全域に生息していますが、古来、発酵食づくりに利用してきたのは日本だけ。だから麹菌は「国菌」に認定されています。
放っておけば雑菌に負けてしまう麹菌だけを純粋培養し、種麹として販売する人が室町時代にはすでにいました。もやし屋とも呼ばれる種麹屋さんは今も全国に10社前後あって、西麹屋の種麹も、こうした店のひとつから取り寄せています。麹菌にもいろいろありますが、何をどう使うかは一子相伝で引き継がれます。
お酒、味噌、醤油、みりん、酢。日本の食卓に欠かせぬ発酵食はすべて材料に麹を使います。西麹屋では麹だけでなく、味噌、甘酒、醤油豆も作り、24koujiyaで販売しています。

もっとおいしく、健やかに。

麹菌は人肌程度の温度を好んで繁殖します。そのために必要な栄養素を体内に吸収するため、さまざまな酵素を作り出します。たとえばデンプン質をブドウ糖に分解するアミラーゼ、タンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ。ほかにも30種以上とも100種以上ともいわれる酵素が麹には含まれています。
酵素が分解した栄養素は、乳酸菌や酵母などほかの微生物にとってごちそうになり、人間にとっては食べものから引き出された甘味や旨み、複雑な香りや味わいとなります。そして食べものはやわらかく、消化吸収されやすい状態になります。
ただし、麹菌は60℃以上に加熱されると死にはじめ、酵素は失活していきます。量産されて広く流通される食品は、熱処理をされたり、アルコール添加されています。それは発酵食品も例外ではありません。保存性を高めるために必要なことではありますが、腐敗しないということは、発酵も進まないということ。
ですから西麹屋では、甘酒や味噌、塩麹や醤油麹を、手作りすることをお勧めしています。市販品も味や栄養分にさほどのちがいはありません。ただ、せっかくなら生きた麹菌がもたらす “その先のおいしさ”を味わっていただきたいのです。

麹を暮らしに、簡単に。

まずは砂糖の代わりに甘酒を、塩の代わりに塩麹をお使いください。醤油麹は醤油の代わりにお使いいただけます。うま味調味料に頼らずとも自然な旨味が引き出され、糖分や塩分を控えることができます。
さらに肉や魚、野菜の漬け床としてお使いください。切った肉や魚に塩麹や醤油麹をもみ込んでおけば、あとは焼くだけ。肉はやわらかく、魚の臭みは消えて、旨味たっぷりのおかずになります。
あらかじめ仕込んでおく。これは麹を暮らしに取り入れる秘訣かもしれません。甘酒も塩麹も醤油麹も、仕込む手間と時間を要します。しかし、いったん暮らしに取り入れてしまえば、無駄な調味料や調理にかかる手数は減り、反対に食事や暮らしへの思いは増していくはずです。
とはいえ、作る手立ても時間もないという方に、24koujiyaでは手作りの「甘酒」やペーストタイプの「甘こうじ」、「塩こうじ」や「醤油こうじ」を、小分けにして販売しています。麹を暮らしに、気軽に取り入れてみてください。

HOMEへもどる